願書における上記の「商標登録を受けようとする商標」の記載の仕方は、商標の種類によって異なります。以下では、商標の種類ごとにその記載の仕方をご説明します。
第1に「平面商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。平面商標とは、商標登録を行う商標が文字・図形・記号といった平面的な要素から構成される商標のことです。商標は、願書に設けた商標記載欄(原則として8cm平方・必要があれば15cm平方まで可能)に記載します。このとき、簡単に変色や消失しないように、かつ鮮明に商標を記載します。
商標を願書に直接記載する場合は、枠線で囲んだ商標記載欄に商標を記載します。あるいは、商標を記載した商標記載欄と同じ大きさの用紙を願書に貼り付けることもできます。このとき、枠線を設ける必要はありません。文字商標による出願のように活字で商標を表示する場合は、20~42ポイントの大きさの活字を用います。この場合、その商標を構成する文字以外に余計な事項を記載しないようにします。
第2に「標準文字」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。標準文字とは特許庁長官が指定する文字であって、その書体には特徴がない商標を出願する際に用いられる制度です。
具体的には、商標登録出願を行う商標を大きさと書体が同じ10ポイント以上の黒色の活字で表し、横書き一行で記載します。文字数は30文字以内で、スペースは1文字分のみ使用できます。また、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【標準文字】の欄を設けます。
第3に「立体商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。立体商標とは、不二家のペコちゃん人形やケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダースおじさんの人形のように立体的な形状から構成される商標のことです。具体的には、図や写真でその立体商標を記載します。また、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【立体商標】の欄を設けます。
第4に「色彩のみからなる商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。色彩のみからなる商標とは、トンボ鉛筆の消しゴムの青白黒のように、色彩だけからなる商標のことです。具体的には、図や写真でその商標を記載しますが、なるべくその色彩が全体にわたって表示された図や写真を用います。また、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【色彩のみからなる商標】の欄を設け、その色彩を特定するための色彩の名称などを【商標の詳細な説明】の欄に記載します。
第5に「音商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。音商標とは、TVCMで流れるジングル(短い音楽)のように音を構成要素とする商標のことです。具体的には、音符などの音楽記号や歌詞などその音を特定するために必要な事項を記載します。また、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【音商標】の欄を設け、その音声を収録したCD-ROMなどを願書に添付して特許庁に提出します。
第6に「動き商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。動き商標とは、TVCMや店頭看板の動作といった時間の経過に伴って形態が変化する商標のことです。具体的には、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【動き商標】の欄を設け、商標が変化する順序やその所要時間など商標が変化する状態に関する説明を【商標の詳細な説明】の欄に記載します。
第7に「ホログラム商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。ホログラム商標とは、ギフトカードの偽造防止用のホログラムシールのように、ホログラムを用いた商標のことです。具体的には、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【ホログラム商標】の欄を設け、その視覚効果により変化する状態などの説明を【商標の詳細な説明】の欄に記載します。
第8に「位置商標」の商標登録出願を行う場合についてご説明します。位置商標とは、ジーンズのポケットに付いているタグのように、特定の位置に着色などの一定の要素を具備させる商標のことです。具体的には、商標登録を受けようとする商標の欄の下に【位置商標】の欄を設け、どのような要素を商品などのいかなる位置に付けるかといった説明を【商標の詳細な説明】の欄に記載します。